フリッカーの測定によるLED照明の改善

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2023.02.10

加工・計測・分析

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フリッカーの測定によるLED照明の改善

※本記事はAdmesy Japan 合同会社より許可をいただいた上で転載しております
転載元:https://www.admesy.jp/articles/measuring-flicker-to-improve-led-lighting/

人工照明で撮影したスローモーション映像の一コマを見ていると、照明が非常に一定のスピードで脈動している、もしくは”ちらついて”みえることに気が付くと思います。通常のスピードでは、このちらつきは見えませんが、照明製品-特にLED照明の場合は、品質上の重大な問題となります。このような品質上の問題を解決するために、現在フリッカーを測定する様々なソリューションが提供されています。

フリッカーの主な原因の一つに交流電流がありますが、特に主電源からの供給と照明への電力供給との間でのバッティングの内容によって生じます。白熱電球が広く使われていた時代には、これらの光源は一般的に応答性が遅いため、交流電流によるフリッカーは全く問題になりませんでした。数十年前に蛍光灯が登場すると、フリッカーの問題は徐々に重要になってきました。しかし技術の進歩により、この問題にもある程度対処できるようになりました。現在では、フリッカーの修正と測定は、主にLEDに焦点が移っています。

LEDは、消費電力の変化や複数のLEDとの組み合わせによる複雑さによって、フリッカーの問題はさらに複雑になっていきます。複数の色のLEDを複数個使えば、光源で際限なく多くの色やシーンを作り出すことができますが、その分複雑になります。また、LEDの色ごとにPWM駆動するだけでなく、複数の周波数を組み合わせたり、無線通信に使用する電子機器などもフリッカーの原因になることがあります。フリッカーの測定は有用ですが、照明製品のチェックに必ず使われるわけではありません。大半のケースで、光、色、フリッカーについてしっかり測定されているのは、ごく一部のサンプルやLED電球だけです。

LEDは通常、人間の目には見えない周波数で駆動していますが、それでもストロボ効果のような問題が発生することがあり、目には見えない不快感を与えるだけでなく、非常に危険な場合もあります。例えば、回転機械や可動機械がある作業場では、目に見えないフリッカーが、物体が駆動していないように見える原因になることがあります。

フリッカーの測定

フリッカーの測定には、通常、高速測定用に製造され、人間の目のスペクトル知覚に近い光検出器が使用されます。光検出器は、光検出器が生成した電気信号を記録する電子機器に接続されています。この信号は、様々なアルゴリズムで処理され、フリッカーパーセンテージやフリッカーインデックス、IEEE PAR 1789勧告のような新しいフリッカー測定を行うことができます。

フリッカーの新しい測定方法は、直接観測をする実用性と有用性を補完しつつ、測定機主体の手法の欠点を克服しようとするものです。これらの方法は、より高度なアルゴリズムに依存し、周波数に特化した測定を考慮しています。このシステムにより、目に見える周波数や頭痛や不快感を引き起こしやすい周波数など、関心領域の周波数をより重要視することができます。

これらの技術は、ストロボ的なフリッカーと過渡的なフリッカーの両方を測定対象とします。また、照明アプリケーションによって異なる閾値を考慮することも可能です。

Admesyのフリッカー測定

Admesyでは、フリッカーの測定やその影響を低減するための各種製品をご提供しています。Admesyのソリューションについて、より詳しい情報をご希望の方は、お問い合せください。

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