USB3/GigE Visionカメラについて

TECHNICAL INFORMATION

技術情報

2024.03.29

小型カメラ

USB3/GigE Visionカメラについて

産業用カメラにはUSB3 VisionやGigE Visionといった規格に準拠したカメラが多数ございます。
本記事では、USB3/GigE Visionカメラとは何か、Visionカメラを使用することのメリット、Visionカメラに置き換える際のポイントについて簡易的にご説明いたします。

  1. USB3/GigE Visionカメラとは
  2. Visionカメラを使用することのメリット
  3. Visionカメラに置き換える際のポイント

USB3/GigE Visionカメラとは

USB3 VisionやGigE Visionというのは、「ハードウェアインターフェースの標準規格」です。ざっくりとした内容としては、GenICamという「ソフトウェアの標準規格」で動作できるようにカメラをつくりましょうというものです。USB3 VisionとGigE Visionとでは、GigE Visionの方が定められるのが早く、2006年から始まり最新バージョンは2018年に定められております。一方、USB3 Visionは、2013年から始まり最新バージョンは2019年に定められております。それぞれ10年以上前から定められている規格ということもあり、今日では多数のカメラメーカーがこれらVision規格に対応したカメラをリリースしております。一方で、Vision規格に対応せず、カメラメーカー独自のドライバーやソフトウェアを使用して動くカメラをつくっているカメラメーカーもあります。
USB3_GigE Visionカメラについて1

Visionカメラを使用することのメリット

Visionカメラは規格化されたインターフェースを使用しているため、異なるカメラメーカー間で互換性があり、カメラユーザーにとって開発資産が無駄になりにくいといったメリットがあります。特にVision規格に対応した画像処理ソフトで開発を行っている場合は、異なるカメラメーカーのカメラを使用する際にプログラムの変更なく付け替えられる場合がございます。一方で、サードパーティーの画像処理ソフトではなく、カメラメーカー提供のSDKを使用してプログラムを作成する場合は、SDKが自社以外のカメラをブロックするつくりになっている可能性がありますので注意が必要です。カメラメーカーは無償でSDKを提供している場合が多いため、カメラだけ他のメーカーのものを使用されてしまいますとSDKの開発費を回収することができなくなってしまいます。そのため、カメラメーカー提供のSDKを使用する場合は、基本的にはそのカメラメーカーのカメラのみが使用できるものと思っていただくのが良いと思います。USB3_GigE Visionカメラについて2

Visionカメラに置き換える際のポイント

以下の3通りのケースでご紹介いたします。

  1. 画像処理ソフトを使用している場合
  2. 異なるカメラメーカーのVision対応カメラ向けのSDKを使用している場合
  3. Vision非対応のカメラ向けのSDKを使用している場合

 

1. 画像処理ソフトを使用している場合
サードパーティーの画像処理ソフトをお使いの場合は、まずカメラを開く際のパラメーターを確認します。カメラメーカーが異なるとカメラを開く際に渡すパラメーターが異なる可能性があります。カメラメーカー固有の機能を使用していない場合、カメラを開く際に渡すパラメーター以外の変更は不要な可能性がございます。メーカーの固有の機能を使用している場合、異なるカメラメーカーのカメラでは基本的にはその機能を使用することができませんので、あらかじめご留意いただくのが良いと思います。

2. 異なるカメラメーカーのVision対応カメラ向けのSDKを使用している場合
基本的にプログラムの作り直しは避けられませんが、まずは移行先のカメラのメーカー提供のサンプルプログラムなどを参照し、カメラの初期化やカメラを開く際に必要な関数の数を確認します。関数の数が同じであれば、関数の名前違いで、関数の使用手順は移行前と同様にお使いいただける可能性があります。カメラパラメーターの設定に使用している関数も近しい名前のものが移行先でも提供されている可能性が高いです。

3. Vision非対応のカメラ向けのSDKを使用している場合
Visionカメラに対応していない、メーカー固有のドライバーやソフトウェアをご使用の場合、1つの関数で行ってた処理に複数の関数を使用しなくてはいけないケースが多く出てきます。そのため、置き換えをする上で一番ハードルの高い状況ではありますが、今まで1つにまとまっていてブラックボックスだった処理内容が分割されることで明確化する部分もありますので、悪いことばかりではなく、細かい制御を行いたい方にはメリットとなる部分もございます。

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