画像認識AIの応用事例
TECHNICAL INFORMATION
技術情報
2022.03.31
小型カメラ
画像認識AIの応用事例
画像認識AI(画像を用いてディープラーニングを行ったAI)という技術は既に様々な領域へ応用されております。画像認識AIを応用することで、ルールベースの画像処理では解決できなかった課題を解決しているアプリケーションもございます。
本記事では、どのような領域でどのように画像認識AIが応用されているかをご紹介いたします。なお、弊社ではカメラ側で画像認識AIを実行できるIDS社製NXTカメラを取り扱っております。本記事でご紹介する内容にも適用し得るカメラとなっておりますので、お気軽にお問い合わせいただけたらと思います。
NXTカメラにつきましてはこちらの記事でもご紹介しております。
・画像認識AI(物体検出:Object Detection)を簡単に実行(IDS社製 NXTカメラ)
1. 製造業領域
自動車部品の不良品検知、液晶パネルの欠陥検出、チーズの包装の検品、産業廃棄物の自動分別といったアプリケーションに画像認識AIは応用されております。良品と不良品の画像をそれぞれ集めて学習を行う、教師あり学習が使用されることが多いですが、不良品の画像が集まりにくいといったところが課題となっております。そこで良品だけの画像を集めて学習させ、良品に該当しないものを不良品と推論する教師なし学習が、検品工程での活躍を期待されています。
2. モビリティ領域
自動運転の技術の中に白線の認識など画像を用いるものもございますが、自動運転の監視といった自動運転をサポートする目的でも画像認識AIは応用されております。自動運転バスの車内に応用されており、発進前の着席確認や走行中の席移動の検知を行っています。
3. 医療領域
医師への負担緩和および見落としリスク低減のために、例えば胃がんを検出する内視鏡画像診断支援に画像認識AIは応用されております。また、カメラを使用した画像に対してではありませんが、超音波検査を行った際に得られた画像データ内の影の自動検出や脳MRI画像データ内の脳動脈瘤の疑いがある部分の検出にも画像認識AIの技術が応用されております。
4. 介護領域
介護初心者のケアの様子を動画で撮影し、解析・評価を行うといった介護コーチングや食事画像からの食事カロリー推定に画像認識AIは応用されております。介護コーチングに用いられている技術は、介護に限らず、技術・ノウハウの継承に悩んでいる様々な領域への応用の可能性が考えられております。
5. インフラ領域
ドローンと組み合わせて送電鉄塔の腐食劣化度合の点検に画像認識AIは応用されております。本アプリケーションでは、社員5人で25時間かかっていた計画策定作業が社員2人で4時間に短縮されるようになりました。その他のインフラ保守点検業務における人材不足問題の解消にも応用が期待されています。
6. サービス・小売・物流領域
中古車査定、類似商品画像検索、賃貸物件画像分類、全自動お片付けロボットシステム、小売店における顧客トラッキング・マーケティング、ピッキングシステムといったアプリケーションに画像認識AIは応用されております。これらのアプリケーションは、画像認識AIだけでなく、音声認識AIや未来を予測するAIと組み合わせて使用されることもございます。
7. 農林水産業領域
ピンポイントでの農薬散布による低農薬農業の実現に画像認識AIは応用されております。こちらのアプリケーションもドローンとの組み合わせです。病虫害の発生している場所にのみ農薬を散布することで低農薬という農作物に付加価値を生み出しております。
8. その他の領域
保険証券の自動分析、オークション偽物出品対策、タンパク質結晶試料の位置合わせなどの保険領域、インターネット関連サービス領域、自然科学領域にも画像認識AIは応用されております。
以上のように、画像認識AIは私たちが直接目にすることのない領域だけでなく、普段利用しているサービスにも応用されております。画像認識AIの勢いは止まることなく、今後も様々な領域へ応用されるものと思います。冒頭でも申し上げましたが、弊社では今回ご紹介しました内容に適応し得るカメラを取り扱っておりますので、画像認識AIの使用を検討されていましたら是非お気軽にお問い合わせいただけたらと思います。
◆ティー・イー・エムではNXTカメラの無料紹介セミナーを開催しております。AIを実行するまでの一連の流れもご説明しておりますので、是非ご参加ください。詳細は以下のURLよりご覧ください。
https://www.tem-inc.co.jp/news/detail-137.php