光ファイバー選定のポイント|株式会社 ティー・イー・エム
TECHNICAL INFORMATION
技術情報
2020.04.16
光ファイバー
光ファイバー選定のポイント
本記事では、CeramOptec社の多岐に渡るファイバーについて製品の一例や選び方をご案内します。
CeramOptec社が提供しているファイバーはステップインデックス型のマルチモードファイバーです。CeramOptec社はファイバー素線の原料となるプリフォームから製造を行っており、その高い技術力でファイバーの製造から加工におけるすべての工程で幅広いカスタマイズに対応することが可能です。
使用する波長からファイバーのタイプを選択する
CeramOptec社のファイバーは大きくUVタイプとWFタイプのファイバーをご用意しており、それぞれ対応波長域が異なります。
UVタイプ:190~1200nm
WFタイプ:300~2400nm
UVタイプは、主にUV光に対して高透過率特性があります。一方、WFタイプは可視光~近赤外域光に対して高透過率特性があります。OH基レベルはUVタイプの方がWFタイプと比較して高く、多く含まれています。
石英コア/石英クラッドマルチモード光ファイバー Optran UV/WF
また、1つのファイバーで広波長帯域に対応したUVWFSモデルもご案内が可能です。
UVWFS:200~2000nm
広帯域波長対応ファイバー Optran UVWFS
オプション:特殊な波長帯域で使用する
■ 深紫外波長域で使用する
深紫外域に対応した「UV NSS」というファイバーがございます。
通常のUVタイプと対応波長域は同じですが、短波長側の光に対しての耐性が優れており、劣化がしにくい特徴を持っています。
耐ソラリゼーション、耐放射線ファイバー Optran UV NSS
■ 中赤外波長域(4~12μm)で使用する
ファイバーのコアとクラッドが石英ではなくハロゲン化銀で構成された「MIR」というファイバーがございます。
中赤外帯域の光を低減衰で伝送することができ、O2レーザー波長(10.5μm)の伝送も可能です。
中赤外波長透過ハロゲン化銀ファイバー Optran MIR
NAから選択する
CeramOptec社では、様々なNAのファイバーをご用意しています。
■ NA=0.12 ~ 0.28
石英コア/石英クラッドのUV/WFファイバーを選択いただけます。
石英コア/石英クラッドマルチモード光ファイバー Optran UV/WF
■ NA=0.37 ~ 0.52
ゲルマニウムドープ石英コア/石英クラッドのWFGEファイバーを選択いただけます。
Geドープ石英マルチモード光ファイバー Optran WFGE
■ NA=0.37、0.48、0.52、0.57
石英コア/ハードポリマークラッドのHUV/HWFファイバーを選択いただけます。
石英コア/ハードポリマークラッドマルチモード光ファイバー Optran HUV/HWF
仕様や材質から選定する
CeramOptec社のファイバーは基本的に石英コア・石英クラッドで構成されています。
ご希望やご用途に応じて、各部の材質やファイバーの口径をご選択いただけます。
■ クラッド
標準は石英クラッドにて製造しております。石英クラッドは透過率や耐熱性の面で優れています。
石英コア/石英クラッドマルチモード光ファイバー Optran UV/WF
他の材質の場合、石英クラッドよりも安価で高NA(0.37/0.48)のハードポリマークラッドや、シリコーンクラッドのファイバーもご案内しております。
石英コア/ハードポリマークラッドマルチモード光ファイバー Optran HUV/HWF
石英コア/シリコーンクラッドマルチモード光ファイバー Optran PUV/PWF
■ ジャケット
ファイバー素線の最も外側となるジャケットは以下材質よりご案内が可能です。それぞれ耐熱性や除去のしやすさに違いがあります。
ポリイミド : -190℃ ~ +350℃
テフゼル : -40℃ ~ +150℃
ナイロン : -40℃ ~ +100℃
アクリル : -40℃ ~ +85℃
■ バッファー
テフゼル・ナイロンジャケットを選択される場合には、クラッドとジャケットの間にバッファーが入ります。バッファーの耐熱性能は以下の通りです。
シリコーン(標準): +200℃(長期)
ハードポリマー : +130℃(長期)
※ファイバー径は指定が可能です
各製品ページに掲載されているコア径/クラッド径はほんの一例です。ご希望の径をお申し付けいただきましたら、豊富なメーカー在庫からご提案いたします。メーカー在庫に無い場合でも、特注対応にてご提案が可能です。その他、NAやコア・クラッド比についても、ご相談ください。
オプション:コアの形状を変更する
矩形、六角形、八角形などのコア形状を変更したファイバーのご提案が可能です。出射端でトップハット型の均一なビーム強度を得られるので、高速・高効率での加工が可能になり、太陽電池、FPD関連の材料加工等に最適です。簡単な光学系でレーザーバーからの光を効率よくカップリングできることも大きなメリットです。また、産業アプリケーション以外では、天体観測用途でもご使用いただけます。
矩形コアファイバー Optran UV/WF NCC
オプション:ファイバーにバンドルやコネクター取り付けなどの加工を施す
ストレートのバンドル、2分岐から多分岐のバンドル、また、ファイバーを数千本使用した有効径(アクティブスポット径)の大きなバンドル等、ご要望に合わせた加工ファイバーのご提案が可能です。標準的なSMAやFCコネクターをファイバー端につけたプローブ品にももちろん対応しています。詳細はお気軽にご相談ください。
光ファイバー加工品
オプション:ファイバー端面に反射防止膜(ARコート)を施す
CeramOptec社の充実した設備と高い技術力により、ファイバー端面に反射防止膜(ARコート)を施すことが可能です。詳細はお問い合わせください。
参考:反射防止膜(ARコート)付き光ファイバーの利点
必要なファイバーはお問い合わせください
CeramOptec社で製造可能な光ファイバーの種類は豊富なため、上記にあてはまらない仕様でもご案内できる可能性がございます。まずはお気軽にお問い合わせください。