技術情報
通常、私たちが購入可能なCCD・CMOSカメラにはセンサー自体にカバーガラスが装着されています。これはセンサーを湿気や埃などから保護するためです。カバーガラスを取り外す場合、取り外し時にセンサー自体を傷つけてしまう可能性があり、また、センサーが常に湿気や埃に晒されてしまいます。しかし、カバーガラスを取り外すことのメリットもあるため、一部のアプリケーションではカバーガラス無しのカメラが必要とされています。
カバーガラスを取り外すことで、以下のようなメリットがあります。
■ 紫外波長域まで感度が拡張(カバーガラスによる紫外線カットがなくなるため)
■ コヒーレント光の反射の回避
■ デジタルホログラフィや干渉測定などでの波面の保持
■ より良いフォーカスを得るための光路長の短縮
■ フィルターを光路長の増加なく取り付け可能
■ UVコーティングや光ファイバーとの結合などのカスタマイズが可能
※カバーガラスの取り外しはカメラメーカーが定める保証の対象外となります。
実際にカバーガラスを取り外したカメラを使用した例をご紹介いたします。
一般的なモノクロカメラで紫外波長(300nm)の照明を撮影した場合、カバーガラスによって紫外領域の波長がカットされてしまいセンサーが受光できないため、照明が点灯していないように見えます。
同様の条件でカバーガラスを取り外したカメラで撮影を行った場合、照明が点灯していることがわかります。
このように紫外領域の波長の撮影が行えるため、本カメラは例えば紫外領域の蛍光の観察といったアプリケーションで使用することが可能です。
ここまで、カバーガラスを取り外すことのメリットや実例をご紹介いたしましたが、実際にカバーガラスを取り外す場合、高度な技術が必要となってきます。
弊社では、カバーガラスの取り外しサービスを提供しております。
カバーガラスの取り外しと併せて以下のオプションもご案内可能です。
■ UVコーティング
■ 石英カバーガラスの取り付け(センサーの保護・紫外光の透過)
■ カバーガラス取り外し後のセンサーの分光感度の調査 など
カバーガラスを取り外すことのメリットを得るためには高度な技術が必要となりますので、カバーガラスを取り外しを検討されている方は、是非お気軽にお問い合わせください。
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