技術情報
クラウド(ウェブ)上でもAIなどの処理が行われるようになり、それ以外のハードウェア側で行われるAIなどの処理がエッジ処理やエッジAIなどと呼ばれるようになりました。クラウドAIは高性能なハードウェアを自分たちで準備することなく大規模なデータの収集やAIの処理を行うことができますが、ネットワークに接続する必要があるため、リアルタイム性やセキュリティのリスクといったところがエッジAIと比較して課題があります。準備できるハードウェアで処理が可能な内容であれば、リアルタイム性やセキュリティ面(外部とのネットワークが閉じている場合の)においてエッジAIに優位性があります。また、エッジAIの中でもカメラの様なデバイス側でAIの処理を行うことができるものもあり、PCの小型化やPCレスが求められるアプリケーションでの活躍が期待されています。
本記事では弊社で扱っているエッジAIが可能なカメラIDS社製NXTカメラにて、クラウドを使用しないで学習から推論までを行うアプリケーション例をご紹介いたします。クラウドを使用して学習を行う方法はこちらの記事でご紹介しております。
・画像認識AI(物体検出:Object Detection)を簡単に実行(IDS社製 NXTカメラ)
クラウドを使用しない学習
クラウドを使用しないで学習をする方法は一般的で、プログラミングの知識がない人でも学習が行えるようなものからプログラマー向けのソフトウェアライブラリまで様々なものが提供されております。IDS社製NXTカメラはIDS NXT lighthouseというクラウドベースのソフトウェアで学習したAIを実行することができますが、クラウドを使用しなくてもKerasやTensorflowというソフトウェアライブラリを使用して学習したAIであれば実行することができます。この場合、IDS社から無償提供されているソフトウェアIDS NXT ferryというソフトウェアで変換する必要がありますが、学習から変換そしてNXTカメラにAIをアップロードする一連の流れをプログラミング次第で自動化することもできます。
画像センシング展2022にて、画像の撮影が手動ですが、学習から変換そしてNXTカメラにAIをアップロードする一連の流れを自動化したソフトウェア及びNXTカメラの実機デモを行いました。こちらは学習する画像を集めているところの写真です。
画像を集めた後、ソフトウェア側で学習、変換そしてNXTカメラへのアップロードを行い、カメラ内で学習したAIにて推論を行っている結果をディスプレイに表示している写真がこちらです。
以上のように、NXTカメラのアプリケーション例として、クラウドを使用しないで学習から推論までを行うアプリケーションをご紹介いたしました。NXTカメラはもちろん、本記事でご紹介したアプリケーションも弊社から販売しております。NXTカメラは、画像処理やプログラミングの知識がない方から知識を豊富にお持ちのシステムインテグレーターまで、ユーザーのレベルに応じた様々な使い方が可能です。是非お気軽にお問い合わせいただけたらと思います。
◆ティー・イー・エムではNXTカメラの無料紹介セミナーを開催しております。AIを実行するまでの一連の流れもご説明しておりますので、是非ご参加ください。詳細は以下のURLよりご覧ください。
https://www.tem-inc.co.jp/news/detail-137.php
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