技術情報
ITERプロジェクトにおける石英光ファイバーの論文「Irradiation test of fiber optics for H-alpha diagnostics in ITER」についてご紹介します。光ファイバーメーカーのCeramOptec社製品が本実験に使用されました。
執筆者:K.Yu. Vukolov, E.N. Andreenko, I.I. Orlovskiy, V.F. Shikalov
論文原文
タイトル:ITERにおけるH-alpha(Hα)線診断用光ファイバーの照射試験
■要旨
ITERにおける光学診断の信頼性は、プラズマ光を遠隔検出器へ伝送する光ファイバーの耐放射線性に大きく依存する。
H-alpha(Hα)線診断装置の設計には、長さ60mの光ファイバーバンドルが含まれており、そのうち最初の10mはガンマ線・中性子線照射場を通過する。この部分の光ファイバーバンドルは、ITERの稼働期間中に、吸収線量が10kGy(シリカの場合)以下、総中性子フルエンスが10¹⁴n/cm²以下となる。このような条件下では、最新の耐放射線性石英光ファイバーは可視光領域で使用可能である。
光ファイバーの種類を選択する最も簡便な方法は、現場でのガンマ線照射試験である。この試験は、ITER施設内の放射線条件に匹敵する線量率で実施する必要がある。本報告書は、Co-60ガンマ線源を用いて0.015Gy/sの線量率で実施した、3種類の石英光ファイバーの照射試験について述べる。光ファイバーの透過損失は、450~700 nmのスペクトル範囲でその場で測定された。
その結果、試験した光ファイバーがITERにおけるH-alpha(Hα)線診断に適用可能であるという結論が得られた。
■使用ファイバー
石英ファイバーはCeramOptec社から供給された。
これらのファイバーはすべて長さ10mで、保護用PVCチューブに収められており、両端には標準的なSMAコネクタが取り付けられている。照射試験には、高OH(OH含有量1000ppm)、高OH+H2、低OH+H2(OH含有量1ppm未満、Cl含有量2500ppm)の3種類のファイバーサンプルを用いた。ファイバーのコア径は200μm、開口数は0.22である。ファイバーはポリイミド被覆で、H2ドープファイバー(メーカー仕様によると6×10¹⁸分子/cm³)にはさらに気密性の高いカーボンコーティングが施されている。
■まとめ
1.3種類の光ファイバーサンプル(高OH、高OH+H2、低OH+H2)を、Co-60ガンマ線源を用いて吸収線量15 kGyまで照射し、透過率をその場で測定した。
2.照射は、0.015 Gy/s(Si)の線量率で、連続照射と、異なる時間間隔での休止を挟む照射の2つの方法で行った。
3.最も優れた耐放射線性を示したのは、高OH+H2ファイバーであった。その透過率は、照射終了まで実質的に変化しなかった(RIA < 0.02 dB/m)。このタイプのファイバーは、ITERの光診断用途に推奨される。
4.通常の高OHファイバー(OH含有量約1000 ppm)は、ガンマ線照射下で典型的な挙動を示し、15 kGyの線量後、波長600 nm付近で透過率が徐々に低下し、約10%の最小値に達した(RIA≒0.9 dB/m)。少なくともH-alpha(Hα)線診断において、このファイバーもITERの光診断に使用可能である。
5.実験中、ファイバーにおける放射線発光効果radioluminescence effectは検出されなかった。
関連製品
関連記事
- 人気記事