技術情報
Westboro Photonics社の分光器オプション付きの2次元色彩輝度計(WPESシリーズ)を使用し、ユーザー自身で補正データを作成することが可能です。
通常、Westboro社製2次元色彩輝度計はイルミナントA光源を基に補正データが作成されています。
LED光源やLCDディスプレイをより正確に測定するために、WPESシリーズを用いて分光データを取得し、数値を補正することができます。
WPESシリーズは、付属している分光器を用いて中心にある円形の領域(スポット)の分光測定ができます。また、Westboro社製専用ソフトウエア(Photometrica)では、色彩輝度計と分光器で取得した2つの測定値を比較し、色補正を自動的に計算します。この補正により、色測定の精度が大幅に向上します。
通常、手持ちのスポット分光器を用いて色度の測定(補正データの作成)には必ず色彩輝度計の光軸上にスポット測定機があることが条件となります。
《OK例》スポット測定機が2次元色彩輝度計の光軸上にある
《NG例》スポット測定機が2次元色彩輝度計の光軸上にない
上記の様に、測定環境を厳密に設定する必要がございます。
Westboro社製WPESの分光器オプションのメリットは、2次元色彩輝度計での測定結果を得ながら、同時に光軸上でスペクトル情報が得られることです。
色彩輝度計と分光器がファイバーを通して接続されております。
以下では、白色ディスプレイを測定し、分光で得た値(中心にあるスポット領域)をその他のAOI(関心領域)にも適用し、色度図上に表示させています。
冒頭で述べている通り、分光器の値を得られるのは中心にある円形のスポット領域のみです。スポット領域で得た値を基に、中心以外の関心領域にも補正データを適用させています。色彩輝度計と分光器で得た値(中心部分)の差をその他の領域にも適用させることにより、ディスプレイ全体の色度測定精度を向上させます。
以上の様にWestboro社製2次元色彩輝度計の分光器オプションを使用することでディスプレイや光源の色測定精度を向上させることができます。
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